「きりなし文庫」が、ふなばし朝日(08年10月10日号)に紹介されました
読み聞かせや絵本情報を発信する川瀬紀子さん(68) きりなし文庫主宰

 「絵本には子どもの心を満たす愛情や文化、言葉や行動があります。お母さんたちが読んであげるときは、1ぺージずつ子どもと楽しみながら、その中身を伝えて欲しいと思います」
 文庫活動に関わって30年以上。ひと頃は100人を超える子どもたちが利用した自宅の「きりなし文庫」も、めっきり数が減った。それでも「一人でも来る子がいれば続けたい」と、月2回文庫を開く。
 読み聞かせや素話をするだけではなく、子どもにも読み聞かせをしてもらう。すると、なかなか話の聴けなかった子が熱心に耳を傾けるようになるし、聞き手に回った川瀬さんにも新しい発見があるという。
 子どもと関わるだけでなく、文庫に携わる全国の仲間と情報交換。2ヵ月に1度、70人ほどの会員に向けて「おはなし通信」を発行している。一昨年は福岡や大阪など、全国の会員と協力して『読み聞かせ絵本555冊』を作った。
 リストは書名、対象年齢・人数、所要時間に加え、いつ頃の季節に読むといいか、歌にリズムをつけて、といったコメントやお薦め度も掲載。初めてのお母さんにも分かるよう、絵本選びや読み聞かせのポイントなども入れた。
 「語りの祭典」など各地の勉強会で仲問と学びあう外、カルチャースクールの講師を務めることも。「それぞれの文庫には力のある読み手がいるが、それを引き継ぐ手立てが少ない。子どもに本を手渡す文庫の役割は大切だと思う」と話す。
 昨年『めぐりめぐって』という白作の絵本を、夫と立ち上げたアメジスト・アート出版から出した。デザイナーだった腕を生かした絵がおしゃれ。これら2冊はインターネット書店アマゾンで検索できる。